写真1 老齢幼虫、体長12mm。置戸町、ヤチダモ。1991/6/25。

写真2 幼虫(写真1)の食害跡。

写真3 雌成虫、体長7mm。写真1を飼育。

被害の特徴
樹 種 ヤチダモ・イボタほかモクセイ科、イヌツゲほかモチノキ科、リンゴ。
部 位 葉、新芽。
時 期 春~秋。
状 態 幼虫は新芽や葉を糸でつづって巣を作って食害する。
幼 虫 体長最大約12mm。体は淡褐色。頭部、胸脚、前胸背楯は黒褐色。肛上板(腹端背面)はやや暗い。

和名  クロネハイイロヒメハマキ
別名 クロネハイイロハマキ

学名 命名者  Rhopobota naevana (Hubner)

分類  チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera、ハマキガ科Tortricidae


寄主  バラ科(リンゴ、ナナカマド他)、モチノキ科(イヌツゲ他)、モクセイ科(イボタ、ヤチダモ)など。

生態  リンゴ栽培地域では春から秋の間に3回発生するといわれている。幼虫は新芽や枝先の葉を綴り合わせる。幹や枝に産みつけられた卵の状態で越冬する。越冬卵は赤茶色、夏の卵は黄色。
 北海道の低山地では終齢幼虫が6月下旬に採れ、室内飼育下では7月中旬に成虫が羽化した。

分布  北海道・本州・四国・九州、北半球。

被害と防除  古くからイヌツゲやリンゴの害虫として知られている。1992~1993年月形のヤチダモ防風林での多発記録があり、2年続いた(文献1993、1994、樹木害虫発生統計資料参照)、森林では食害により木が枯れた記録はなく、防除は必要ないと考えられる。
 庭では多発した例はないようであるが、気になるときは幼虫を取り除く。幼虫のいるところは数枚の葉が糸で綴られ変色している。果樹園のリンゴでは防除が行われている。


文献
[1969] 一色周知監修, 1969. 原色日本蛾類幼虫図鑑(下): I-VI, 1-237, pls 1-68. 保育社, 大阪.
[1975] Yasuda, T., 1975. The Tortricinae and Sparganothinae of Japan (Lepidoptera: Tortricidae) (II). Bull. Univ. Osaka Pref., ser. B, 27: 79-251.
[1977] 奥野孝夫・田中寛・木村裕, 1977. 原色樹木病害虫図鑑: I-VIII, 1-365, pls 1-64. 保育社, 大阪.
[1977] 小林富士雄, 1977. 緑化樹木の病害虫(下)害虫とその防除. 290pp. 日本林業技術協会, 東京.
[1982] 井上寛ほか, 1982. 日本産蛾類大図鑑. Vol. 1: 1-968; Vol. 2: 1-556, pls 1-392. 講談社, 東京.
[1983] 上条一昭・駒井古実・鈴木重孝, 1983. ハマナスを加害する害虫. 光珠内季報, 55: 17-21.
[1986] 山口昭・大竹昭郎(編集), 1986. 果樹の病害虫, 診断と防除. 全国農村教育協会, 東京.(形態、生態、被害、防除)
[1993] 福山研二・前藤薫・東浦康友・原秀穂, 1993. 平成4年度に発生した森林昆虫. 北方林業, 45: 269-272. (ヤチダモにおける多発記録)
[1994] 福山研二・前藤薫・東浦康友・原秀穂, 1994. 平成5年度に北海道で発生した森林昆虫. 北方林業, 46: 291-294. (ヤチダモにおける多発記録)